あおいいぬ

漫画の感想が主。

それぞれが辿り着いたひとつの到達点【マギ332夜感想】

 

前回でアリババくんが真に自分が望むことと向き合ったことで、彼周辺の関係性が明らかになった集大成のような回でした。
言いたいことがありすぎてどこから話せば良いのやらという気持ちですが、話の順に追って感想を言っていきたいと思います。


〇アリババくんが誰に望まれなくても決意したことの背景
アリババくんがシンドバッドの野望を打ち止める一番の理由が、「みんなが言っていることが本心からくるものではない」というのが非常に彼らしいと思うのですが、252夜でバルバッドを攻めると提案した白龍に対して「こいつは元々真面目で優しい、いいやつだったじゃねーか!」と説得に踏み込んだことで取り返しのつかないことをしてしまったように、それもアリババくんが自分がその相手と関わってきた中で相手への印象から形成されているものでしかないものではあるんですよね。
でも、アラジンくんに「それを望むのは世界中でもう僕たち二人だけかもしれない」と言われ「誰にも望まれていなくても必ずみんなの本当の心を取り戻す」とハッキリ言えたのは、その辺りが自分のエゴであることに自覚的になれたからなんだと思います。
加えて、この下りに関して何が嬉しいのかというと、シンドバッドの考えを完全に真っ向から否定していないことですね…。シンドバッドのいう事も正しく、ルフの書き換えが行われたとはいえ今のみんなが正しいと思っているのならみんなの望む方へ従うべきではないのかと葛藤するところが、自分のエゴに自覚的になれているという部分が強調されて良いですね…。
心中しようと言うモルさんに「お前はそんな女じゃないはずだ」と言うのもこれまでのモルさんへの印象から弾き出したものに過ぎないんですけれど、そのことがエゴであると自覚しているかしていないかじゃかなり覚悟の度合いが違ってきます。だから迷わずモルさんの言葉を否定したし、今を生きたいと言うことも出来るんですよね。
二回目のプロポーズ、本当に素敵でした。
ここで二人とも真っ赤なの滅茶苦茶いいんですよね…。覚悟を決めていた314夜のプロポーズでは顔が赤くなっていなかったのに対して今回の不意打ちのプロポーズでは二人とも真っ赤になっているの、本当に構成がキマっていて感動します…。

〇相互に支え合える関係となったアラジンくんとアリババくん
アラジンくんはアリババくんのエゴに救われているのが本当に素敵だと思います。
思えば、最初の迷宮攻略からアリババくんのエゴによるものだったと思うと非常に感慨深いですね。
出会った時はアリババくんがアラジンくんの特別な力を目当てにしていましたが、時間を重ねてアリババくんはそんなこと関係無くアラジンくんを必要としていて、むしろマギを自覚してからアラジンくんの方が「王の器とマギ」という特別な関係性に拘っていたとうのが彼らの性質がよく表れていると思います。
アリババくんのやりたいことがアラジンくんのやりたいこととしてイコールで繋がる理由のひとつに、彼らが「『王の器とマギ』であるから」ということが挙げられますが、アリババくんはそんなこと関係なくて、自分の選択をアラジンくん自身がどう思ってくれるかが重要だと思っていることが本当に嬉しいです…。王の器として答えを選択したわけではないので当然なのですが、言葉にして伝えてくれることにすごい価値があるので…。
アラジンくんに「特別じゃない、他の奴らと同じ」と言えるのはアリババくんだけなんですよね…。本当に良い……。
あと二人の関係性としてここも構成としてキマっているなあと思ったのが、どうするのが良いかをアラジンくんがアリババくんに語るところですね。
出会った頃はアリババくん様々なことをアラジンくんに語っていましたが、今ではアラジンくんも様々なことをアリババくんに語ることが出来るようになっているんですよね。着実にお互いがお互いの知らないことを補助しあえる関係性を積み上げてきていたのがわかります。二人とも色んなものを見て色んなことを経験して成長してきたんだなあ、というのがやり取りでわかるのは本当に感慨深くなります。

〇白龍とジュダルの信頼関係
2016年、ここまで贅沢でいいのか本当に…!?と泣きついてしまいました。
この二人、やっと登場したかと思えば滅茶苦茶理想的な登場をかましてくれて…!!
自分たちを理解してくれないから世界を恨んで突き進んだ二人がここで周囲に望まれないことをやろうとすることに対して悲観するアラジンくんとアリババくんの味方として登場するんですよ、散々構成について語りましたがこれももう最高の構成なんですよね…!
もう今回非常に嬉しかったことが二つありまして、ひとつが「世界を殺して作り変えてやるよ!!!」という宣言が三年越しで叶うことですね…。
一度その夢は絶たれたものの、絶たれる過程で変化した状況や環境を踏まえた上でこの夢を叶えることが出来る状況に挑むことが出来て本当に嬉しいです…。
誰かの都合によって誰かの手の中で生かされていることに対して何よりも恨みと怒りの感情を抱いて、それは世界にとって間違っていることなんだと否定・排除されてきた白龍とジュダルは世界のはみ出し者とされましたが、それ故に「この世界に復讐する」と固く誓うことが出来ましたし、だからこそ「誰に望まれなくてもやるんだ」というアラジンくんとアリババくんにとってこれ以上に無いほど心強い仲間になるんですよね。
周囲に理解されない苦しみを誰よりも知っているからこそ、自分たちがやりたいことを貫けることの強さをここで描写してもらえて本当に感無量です。やっぱり強いんですよあの二人は…。
そして二つ目が、ジュダルが白龍といる理由が「白龍が白龍だから」ということであるという考えにより強固な根拠を明示してくれたことですね…。
一番危惧していた部分なので、本当に嬉しいですね…。
「堕転しといてよかっただろ?」という台詞、白龍の堕転を過去のことだと、離れていた間に白龍が変わったことをちゃんと分かった上で受け入れているんですよね…。
故郷へ帰り、これまでのことは勿論、これからのことを考えて白龍と行動をともにすることを選んだからこそ故郷に白龍が迎えに来た時に白龍とともに帰ってきたんだなあ…………。
そもそもジュダルは「白龍は俺が死んだくらいで止まるタマじゃない」と思っていたわけですが、自分と同じじゃなくなった、国の王にならずとも国のために生きていくと決めた白龍に対して王の器のために力を使いたい、誰よりもマギとして振る舞いたいと思っていたジュダルがどう思うのかという部分から関係性に軋轢が生じるんじゃ…と心配していましたが、変化を受け入れながらも互いに同じ目的を共有してまた共に行動していることがわかって滅茶苦茶嬉しいですね…。
相手が変わったとしてもお互いがお互いを最大の理解者だと認識して必要としているんですよ。もうこれ以上に無いくらい素敵な関係を築き上げてくれましたね…。この二人に関して最高のアンサーです、ありがとうございます…………。


これから最強の四人が聖宮にどう立ち向かうのかすごく楽しみです…!
これまでのことがしっかり基盤となって進んでいくのですから、嬉しくて楽しみでしょうがありません!
そしてウーゴくんをどうまやかしの世界から救ってくれるのかにも期待です!


おそらく2016年最後の感想記事となりますので、最後にご挨拶を。
今年突発的に始めたブログですが、見てくださっている方がいることに本当に感謝です。
直情的にわめいているので独りよがりなことばっかり言っているんですが、それでも見てくださっている方がいて本当にありがたいことです…。
来年もお付き合いいただけると幸いです!皆様、良いお年を!