あおいいぬ

漫画の感想が主。

妖と人間の百年【チキタ★GUGU1~4巻感想】

 

 

ツイッターでフォロワーさんに勧められてすぐKindle版を揃えてしまった漫画です。

勧め方が的確だったもので…私を確実に落とすみたいな誘い文句でしたね。

 

チキタ★GUGU1巻(以下Amazonのリンク先です)

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それでその通りすごく好きなお話でした。全8巻のうち半分となる1~4巻まで読みましたので、感想を書いておきたいと思います。

というよりは、半分まで読んでまだ半分…!?と戸惑うほど内容が濃密かつ急展開なのと、それ故に先を知りたいけれど結末を知るのが怖いのでとりあえず今の見解と感想を残しておきたいというところです。

 

物語の前提である妖と人間が百年過ごすということをとにかく丁寧にエピソードに沿って描いてあるので本当に最後どうなるかがわからないんですよね。

今のところ私としては百年経った後ちゃんとラーにはチキタを喰べて欲しいんですけれど…。

チキタが妖と百年過ごすうえで、家業でもあった妖しい屋を営んだりしてラーひいては妖のことを理解するための行動を起こしているんですが、それによってチキタ達に関わっている妖・人間の命がたくさん失われているからこそ、言い方は悪いですが様々な命を踏み台にして百年を歩んでいるから、百年の時にきちんとぶれることなく終止符を打って欲しいんですよ。

特にニッケルが死んだエピソードでその思いが強くなりましたね…。

本当にショックでした、あの回…。

 

けどやっぱり、ショックが大きい分非常に重要な回なんですよね。

ニッケルの死でラーは喰べることは命をいただくということ、チキタは自分の命が他人の命の上で成り立っているということを確固としたものとして理解してしまったんだと思います。

それまでにも描写はかなりされてきましたが、ここで改めてラーはだんだん人間に、チキタはだんだん妖に、お互いがお互いの領域に近づいているというように感じました。

ニッケルの死に子供のように取り乱し駄々をこねるラーとそれを諫めるチキタ、対照的な二人の様子がまさにそれを物語っているように見えます。

 

加えて、チキタは百年はラーに守ってもらえるし体質のお陰で喰べられる心配もない他の人間たちよりかなり命の保証がされている立場です(命の危険にさらされる場面も他の人間たちより多いですが)。

だからこそ、百年という時の重さに向き合って人生に決着をつけるという意味で喰べられて欲しいなと…!

 

ですが、チキタが喰べられるのはチキタの一存ではなく、勿論飼育主のラーの心持ち次第です。

百年を過ごしたのにクリップはおろか他の人間までも喰べられずに更に二百年過ごし、飢えから遂には身体の自由が利かなくなってしまったオルグの存在があるからその辺が余計に危ういんですよ。

その理由がはっきりと明かされているわけではありませんが、クリップを特別に感じすぎて一緒にいるだけで満たされるからクリップも他の人間も喰べられなくなって干からびてしまったのが、とても人間的ではあるのですが人間とは違う妖らしさが表れているんですよね…。

精神的な飢えと肉体的な飢えが直結していて、クリップといるだけで精神的な飢えが満たされているから何も喰わなくても満たされてしまった。

17話のラーがまさにそういったことを語っているから、9話の『「百年」ってね……そういう時間なんだよ」というクリップの台詞が響いてきます。

 

本来心を通わせることのない、喰べる側と喰べられる側が百年という簡単には過ごしきることが出来ない時間を過ごすために互いが互いの生きる理由になっているのが本来の目的の妨げになってしまっているのがまた結末がわからなくなってしまっているところなんですよね。

人間から忌み嫌われ恐れられている人喰い妖が人間から受け入れられて心が満たされていき、人喰い妖に喰べられることを容認する事情がある人間は妖が自分を必要とすることで自分の人生を肯定することが出来る利害の一致が心を通わせる大きな理由になっているのが相当皮肉です。

全体的に皮肉っぽいエピソードが多いんですが。

可愛い絵でえげつない描写が容赦なく登場するのが魅力です。

 

ですがやっぱり、相容れない二人がどんどん互いを理解しようと奮闘しどんどん近づいていく部分がもう滅茶苦茶好きなんですよね…。

正直そういうところが枷になってしまっているところまで込みで好きなので覚悟を決めて後半部分である5~8巻に向き合っていこうと思います。

 

それととても心配なのが、果たして本当に不味い人間が百年飼育されて美味しくなるのか?というところです。

最後百年経っていざ喰べたあとに百年飼育したといえど不味いままだったらどうしようという心配があるのですが杞憂であることを祈っています…。

 

暗い心配ごとを言ってしまったので最後に少し明るいことを言いたいので言いますが、クマがすっかり板について表紙4巻以降のラーが全てクマなのが面白いです。

どんな姿のラーも可愛い中で私が一番お気に入りのラーは25話のシャンシャン一族を魅了するラーと会いたさ極まってチキタの元にやってきたところのラーです。一番と言いながら二つ挙げてしまっていますね。まあとにかくラーは可愛いですね…。

 

色々言いましたが、素直に面白いしとっても好きなストーリーとキャラクター達なので、最後まで楽しく読ませていただきます!

本当に勧めていただいて感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます…!!


追加(11/17):

単行本表紙、「4巻以降はラーの姿が全てクマ」と言ってましたが4巻直後の5巻はタコでしたね…。

ここで訂正しておきます、失礼しました!