あおいいぬ

漫画の感想が主。

それでも折れなかったもの【マギ323夜感想】

 

 

大変ショッキングな回でした。

 

ショックでまともに受け止めるのに時間を要したしまだショックを受け止めきれていないのですが、一度形にして整理しよう、ということで記事を認めます。

今回に関してはあまりタイトルで直接なことは言いたくないためかなりぼかしました…。すみません…。

前回の記事で「なるようにしかならないと思わせるところが好き」といった内容のことを書いたのにまだ受け止めきれていないので情けない限りです。

現在そのような気持ちで書いた記事ですが、それでも読んでいただけたら幸いです。

 

〇物語における「死」のもつ意味

物語として、その物語の上に存在する登場人物として、なんと皮肉めいた内容なのだろうと思いました。

 

物語上で死ぬキャラクターの死とは非常に衝撃的でショックなものです。

ですが意味の無い死は大抵の場合無いものだと思います。

しかし、キャラクターの死の意味を求めすぎると「では死ぬために存在したキャラクターなのか?」というところまで突き詰めてしまって、今回まさにそのように考えてしまいまして。

初期から登場し物語に深く関わり重要なキーパーソンだった彼ですが、その役割ですら運命という大きな流れの中の一部でしかないとう現実を突き付けられたからですね…。

アルマトランの人々は運命を見て絶望していましたが、ようやくその気持ちが少し理解できたような気がします。

 

 今回のシンドバッドの死は、間違いなく意味のあるものでした。

それは彼のこれまでを振り返るため。彼の役割を示すため。

そして、そのことを創造主であるウーゴくんがはっきりと述べ、その上でシンドバッドのしたことを大いなる運命の中における「役目」としている。

役目を見事終えるも、その上を渇望しその結果死を迎えた彼の死ですら利用する者が現れ、それすらも「流れ」だとしている。

だからこそ非常に皮肉めいていると思うのです。

 

特別な力を持って生まれその意味を「何か役目を与えられたからなのだ」と悟ったシンドバッドからすると、ウーゴくんの定義した「役目」を終えた後も特別な力を持ち続けてたらそれはまだ役目が残っている、まだ成し遂げるべきことがあると思っても…と思ったりしてしまいます。

もしかして、次の時代を創る人々が現れたからそこが役目の終わりとして、途中で運命の流れが見えなくなったりダビデの声が聞こえなくなったりしたのでしょうか。そうなると相当容赦がないと改めて思わされます…。

 

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〇最期に幸せでいられたシンドバッド

運命の大いなる流れを見守るウーゴくんからすると、シンドバッドはジャーファルさんの言っていたとおりに自分たちで築いた平和を守る事で満足するべきだったのでしょう。そして、次に時代を築く新しい世代に椅子を譲るのを待つべきだったのでしょう。

 

だけれど、シンドバッドはそうすることが出来なかった。

 

最後に彼は「なんて幸せなんだ」と遺しました。

シンドバッドは高い理想を掲げ冒険することに幸せを感じていた。

そのお陰で現在の世界の平和を築くことが出来た。

だから更にその上から目を逸らすことが出来なかった。

 

彼は、どこまでも夢を見て走り続けることこそが幸せだったんだと思います。

 

だから、ウーゴくんに自分が今していることは無意味なことだと諭されても、自分がどんなに無様な姿でもがいていたとしても、最期まで夢を見ることが出来たから自分を「幸せ」だと言い切ることが出来たのだと思いました。

 

ただ、321夜で語っていたように、きっと最期の最期まで「自分が死ぬと感じていない」と思っていたのだと思うのですが、だとするとそれはそれですごく残酷だと感じたりもするのですが。

死を覚悟していない人間だからこそあんな無茶が出来るのだとするとえげつないことこの上ないなあ…。

 

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ところで、ウーゴくんの「次は青い海のルフになれるといいね…」という台詞、やっぱり今回の話に登場したイカロスの逸話をもじっているのでしょうか。それとも海と言えばという意味で船乗りシンドバッドの方からなのでしょうか。

 

次回も更なる急展開が待ち受けているようで非常に心臓に悪いです…。

最終章にして、いや最終章だからこそこんなにハラハラさせられるのでしょうか…。

それにしても323夜の副題が「冒険は終わらない」なのも大変皮肉めいていますね!

まさに読んでいる側がそう思いたい感じのタイトルでは…?