読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

kisarasaraのブログ

マギの本誌感想を中心に弱虫ペダル本誌感想とかも。

気がついてもらいたいこと【マギ317夜感想】

 

 


シンドバッドって実は褒められ慣れていないんじゃないかなあと317夜を見て思いました。

 
「凄い」「流石」と言われても、シンドバッドにとっては運命が見えるという自覚があるからとんでもなく凄いことをやってのけても出来て当然という認識だったんじゃないかと思います。

 
ですが今回、ドラコーンやヒナホホらが贈った言葉はシンドバッドの心の底に届いていました。

 
贈られた言葉がシンドバッドとって嬉しいものであったのは勿論のことですが、ここでは言葉を贈った相手が重要であったのだと思います。

 

何故なら、彼らは立派に二代目シンドリア王国国王を務める以前のシンドバッドを知っているから。

自分の力を過信しすぎて道を間違えたり、王国を滅ぼされ多くの国民や家臣を喪った王様の姿をリアルタイムで見てきて、シンドバッドを支えてきた人間達だから、シンドバッドもその言葉を受け取れるのではないかと。

 


ですが、ここに不安が生じます。

 
それは、実績があるということです。

シンドバッドはアラジンくんに「自分の経験してきた間違いすらも必要なことだった」と言いました。

事実、彼はどんな困難に陥ってもそれらを乗り越えてきました。

その事実が彼の信じる正しさを貫く根拠となってしまっているのが、とても危ういと感じます。

 

305夜を読んだときも同じことを言いましたが、最終的な目標とする、シンドバッドの信じる正しさに則った運命の書き換えが行われるまで、世界に起こりうる悲しい出来事は全て必要なことだとして処理されるからです。

 

けれど現在の平和な世界を築き上げたシンドバッドという存在が、悲しい出来事も必然であるという論の根拠を根拠たらしめているし、そうだと認めてもらえれば嬉しい相手がそう認めている。

 

ですが、ずっと重い表情のジャーファルさんや、シンドバッドを完璧超人ではないと言うマスルールの存在を気にかけて欲しいと思ってしまうわけです。

 

今の彼らはシンドバッドがどんなに心配になるようなことをしようとしていても、それを制止するまでに踏み込むことが出来ません。

何故なら、シンドバッドがしようとしていることは、シンドバッドがこれまでの経験を根拠に、そして信念に基づいて成そうとしている「正しい事」だからです。

 

何かを間違えていて、道を誤りそうなら彼らは止めなくてはならない。しかし、そうでないから、シンドバッドのやろうとしていることもひとつの正しさだから、シンドバッドを信じ忠誠を誓った彼らは、それを否定して敵になることだけは出来ない。そう考えているからこそ、ジャーファルさんはその点に関しては何も口を出さずに秘書としての仕事をこなし、マスルールはレームに身を置くという、彼らなりに最もシンドバッドの意思の実現の力となる選択をしたのではないかと思います。

他の八人将方も同じく、最もシンドバッドの力になれる道へ進んでいます。

 

だからやっぱり、心配そうな表情を特に浮かべている人たちに気が付いてほしいんです。

仮にもう気が付いていたとして、その気がかりは正しい世界を実現させることが出来たら杞憂に終わるんだと捉えているのならそれはすごく悲しいことなので無いと思いますが…。

 

心配している人たちを顧みないのはある種の傲慢であると感じてしまうので。

それこそ、何もかも一人で決断し神様となったソロモンと似たムーブを感じます。

 

ソロモンの傲慢は、運命をソロモンの意思で書き換えたことであるとされていますが、それとは別に心配する人間に何も言わず一人で決めたことも傲慢となるのではないかと思うわけです。

心配する人間に気づいている(いた)かいない(かった)か、それはソロモンもシンドバッドも明確とされていませんが、どうかシンドバッドはそういう人間がいることに気がついて一人で抱え込み一人で犠牲になろうとするのを避けて欲しいと思っています。手遅れになってしまってからでは遅いんですから。

 

アルバちゃんが居なくなりダビデの声が聞こえなくなり、やろうとしていることにいよいよもって一人で立ち向かおうとするシンドバッドが本当に孤独になる前に、どうかシンドバッドの方から腕を伸ばして欲しいと願います。

もう腕を伸ばしている人間や、伸ばしてもらうのを待っている人間がたくさんいるはずなんですから。