あおいいぬ

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やるべきことを見つける意味【マギ313夜感想】

 

 
練家の男か………………。
 
313夜に存在する山場のうち二回も白龍が張っているってすごいなあ…ずるいなあ…。
しかしそれもこれまで白龍が積み重ねてきたものがあってこそなんですよね。
アルバちゃんにしろ、アリババくんのことにしろ。
白龍が決着をつけるべき相手に対して然るべき終着点をつけるところまで持って行けたところが大事な部分で、その舞台がきちんと用意されているというところが一番嬉しいです。
しかもそれがまだあるんですよ…。練白龍という人間には…。
特に、今回そのために生きると宣言していた国のことに関しては、まだまだやることがたくさんあるはずなので…。
 
その国のためにやるべきことをやるために、彼が国を離れたという点が白龍の成長した一つの部分であるのではないかと思います。
そして、それはアリババくんに対しても同じことが言えるのだと思います。
二人とも王・皇族という身分でありながら、国に留まることが得策ではないということを自覚して離れた。
 
今回の再会が凄く劇的なのって、個人的にはようやく国も身分も関係の無い、「アリババ」と「白龍」として対峙することが出来たのが大きいのではないかと感じています。
 
生れながらに課せられた使命や誰かを追いかける・従うところから離れて、自分自身のやるべきことを見つけた二人ですが、見つけることが出来たのもお互いの影響があってこそだったんですよね。
 
「身分の無い国を目指したのに王子であることを諦められなかった自分」を気づかせたのは白龍ですし、「移り行く正義にどう向き合っていくか」を教えてくれたのはアリババくんで、二人とも向き合わなくてはいけないけれど向き合うことから目を逸らしていた部分を突き付けたわけで、その結果激昂してアリババくんは白龍の両脚を、白龍はアリババくんの命を奪うことになりました。
 
だからこそ、そのことに対して謝ることが出来て仲直りすることが出来たのではないかと思います。
核心を突かれて逆上してしまったけれど、目を逸らしてはいけない部分と向き合わせてくれたからこそ、ずっとやってしまったことに対して謝罪したかったのではないかと。
 
最後の白龍の顔、私には「良かった」と言っているように見えるのですが、それは「アリババくんが生きていて」とか「あのことについて謝れて」とか、その辺を内包して「良かった」に行きつくのかなと自分なりに思いました。
 
その前にアリババくんとの再会を純粋にわだかまり無く喜ぶアラジンくんとモルさんが居るから更に良かった…と思います…。
出会いの場所で再会を果たすという演出もずるいものです!構造が上手すぎる!
 
 
そして、もうひとつ。アリババくんがアラジンくん達と再会出来たことに関して、ひとつ思うところがありました。
それは、アリババくんの回復を待たずして飛び出したのにいまだ再会を果たせていないジュダルのことです。
 
アラジンくん達が暗黒大陸にいたのでどれだけ探しても見つからないのは当然で、アラジンくん達から出向いた方が再会のタイミングが早くなる。
アリババくんが煌帝国に留まることを決めた際に言った台詞が、ここでそのまま効いてきたわけです。
 
 「今ここで力を尽くした方が、アラジンに近付ける…」
 「なんとなく、そんな気がしたんだ!」
 (30巻・第292夜)
 
自分自身のやるべきことを見つけ、そこで全力を尽くしていれば目的にきっと届くはずという予感がばっちり当たって、この度ジュダルより先に再会を果たしました。
 
ここで出来た差は一体なんなのでしょうか。
やはり、「やるべきことを見つけたか否か」の差なのだと思います。
 
  「世界に取っても、お前みてーな中途半端な王の器は邪魔なんだよ。」
  (27巻・第266夜)
 
ジュダルがアリババくんに言ったこの台詞は、七海連合と煌が対立しいつ戦争が起きてもおかしくない状況であればその通りだったのですが、彼らの戻ってきた世界は既にそうではありません。
戦争が無い商業が中心の個人主義の世界です。
 
その中で見つけてもらうためには、一定の場所に留まり名を上げるというアリババくんのやり方が、彼としては無自覚だったのでしょうが、ぴったり当てはまったのでしょう。
 
ジュダルは、「白龍のところに戻って戦争がしたい」という思いが元の世界に戻る目的だったため、ジュダルのやるべきことが現時点だと不透明なところも繋がるのかなあと。
白龍と再会するという目的を果たしたあと、戦争が無い世界で彼がどうするか。何をやるべきこととするか。
そこも気になるところです。
 
個人的には、マギとしての誇りが高い彼にはマギとしてやるべきことを曲げずにいて欲しい気持ちがありますが。
 
しかし会いたい一心で飛び出したジュダルのことを考えると大変心苦しさがありますね…やはり「見つけてもらう」以上に有効な方法が思い当たらないんですよね…。
 
白龍もジュダルがどこにいるかをちゃんと気にしていたので再会は近いように思いますけれど、早く再会が見たいものです…。
 
 
また、自ら皇位を退き後任を紅玉ちゃんに託しすぐ失踪してしまった白龍が、元の世界に戻ったあと煌帝国にどう絡んでいくかも気になるところです。
 
アルバちゃんの問題もシンドバッドの問題も気になることはたくさんあるので、これからますます目が離せません。
 
白龍の自立宣言とザガン組の再会が本当に良かったです313夜…。
次の話はここからどう繋がっていくかとても楽しみです。